はるこの遅咲☆妄想日記
6 応えてよ
#6 応えてよ





「おはよ。」

「・・・・」いつもそう。

こっちからおはよ。って言ってるのに何?あの態度・・・

通学路が一緒だった私たちは

なにかとお互い顔を合わせてしまって・・・

おまけにクラスも一緒だからなんとなく無視できない。

私はもう半年たつのに

一度も挨拶を返してもらえなかった。

でも、今日もこうして「おはよ」を言い続けている。

だって・・・

そんな彼のツンケンした態度が案外嫌いではない。

むしろ・・・この冷たい男がいつか折れてくれるんじゃないかって

内心、毎朝ドキドキしていた。

彼は今日も私の前を素通りして

私の前を歩く。

私は、その後ろからついていく。

同じ高校の

同じ教室に。

たまには、同じクラスなんだから普通に話しながらさ・・・

そんな夢も抱いていたが

いっこうに彼は応えてはくれない。

「このまま、こうして終わっちゃうのかな~」

クラスの中では、地味な私。

彼はサッカー部に入っていて、女の子からも人気がある。

「朝しか・・・ないんだよなー。」

こんなチャンスは

絶対逃したくない。

でも、

夏休み明けに

彼が初めて応えてくれた。

「おはよ。」って・・・

その時は嬉しくって

でもどうしよう・・・

心の動揺が止まらない。
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