シルバーブレット
銀鼠のアリバイ
「ここだな。」




志麻と瀬羅が向かった先は、都心から少し外れた所にある小さな整備工場。

規模は小さいながらも自動車やバイク・自転車など業務は多岐に渡る。


煌が兄貴と呼ぶ、明松秋の仕事先である。



事務員に秋のことを聞くと、作業場に居ると言うので2人はそちらへ向かう。




作業場にはバイクを修理している秋の姿があった。



「明松秋さんですね?私は警視庁の」


「煌の同僚だろ?紅葉と梓凪から聞いてる。俺のアリバイ聞きに来たんだろ?」



「ええ、話が早くて助かります。私は瀬羅と言います。」


「志麻だ。俺は上司だがな。」


「早速ですが、昨日の午後11時から今日の午前3時までどこにいらっしゃいましたか?」



「その時間なら息子と一緒に家で寝てたな。オヤジとは一緒に住んでねぇし、その日は会ってねぇからオヤジが何してたかは知らねぇな。」


「そうですか。ではその扇崎吉信さんについてですが…」



「オヤジは俺の妻である夏渚の父親で、夏渚が病気で死んでからも息子によく会いに来てた。現役時代の癖が抜けねぇのか、その辺にたむろしてる不良をよく注意してたな。」
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