しっとりと   愛されて
α.知られたくない秘密
私は椿百合乃。

OL1年生。

今日も仕事はお茶くみで終わった。

たまにコピーやファイルもある。

会社帰りはいつものように駅前のコンピニでお弁当を買い、アパートまでひたすら走った。

息が切れた。

ジャージに着替えて、買ってきたお弁当をミネラルウォーターで流し込み、3分で食べ終えた。

「さてと、始めましょ!」

デスクのスタンドをつけて、昨日の続きをやり始めた。

私はデザイン専門校に通っていた頃から、このフィギュア模型にはまっていた。

元々手先は器用な方だった。

高校の時は、ミニチュアにはまっていた。

友達がBFの話しや好きなアーティストのことに夢中になっていても

私は放課後、即行で家にすっ飛んで帰り、部屋にこもってミニチュアパーツを作っていた。

つまり、ヲタクだった。

毎日が充実していた。

パーツが増えていくと満足感に浸り、ミニチュアハウスを完成させると達成感に涙した。

今は、会社が終わると、即行で帰宅し、一人アパートで黙々とフィギュア作りに没頭した。

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