悪魔なキミと愛契約~守るべきもの~
第2章

訪問者



やっぱり、あたしが心配していたことが起こった。


「ねぇねぇ、ルカ様!!夏休み、一度ルカ様の家に行ってみたいな!!」


夏休みが目前に迫った放課後、自席で帰宅の準備をしていたらクラスメイトがルカの席の周りに集まりだし、思わずあからさまに反応をしてしまった。


勢いよく後ろのルカを振り返り、ルカを見ながら小さく首を振る。


それなのに、ルカはダルそうに座っているだけであたしの仕草を見てくれない。


バカ王子!!


こっちを見ろ!!


ダメだとはっきり言いなさいよ!!


「ついて来れるならついて来い」


「きゃぁぁぁぁぁ!!」


……は?


今なんて……?


ついて来れるならついて来い?


はぁ!?


いくら屋敷のまわりに結界が張ってあるからってそんなこと……。




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