マジで恋した5秒後
2秒後
「おおう、平野。
お前とは次元の違う人間にビックリしただろ~」
自分の教え子が馬鹿にされそうなのにこの教師は…
場合によっては明日から不登校するぞ、私は。
この能天気の担任に一括入れたいものだが、
それはここに置いといて…
今はこの私の神経全てを一瞬にして掻っ攫って行った平野先輩だ。
クスクスと笑っていた先輩は、
黒縁メガネの奥に見える目じりにある涙を手でふき取って、
笑いを抑えようとしている。
目の前の先輩はやっぱり背が高くて…
黒髪に眼鏡ってところがインテリっぽくてキュンってときめく。
優しい顔は表情豊かで接しやすそうだ。
『生徒会長』なんて役割でも、生徒会選挙に投票する生徒は人気投票と同じ感覚で名前を書いて投票箱へインする。
だから生徒会長って事は学校のトップであり、
皆からの信頼や人気があるって事だ。
私は生徒会選挙にはあみだくじと決めているから、
平野先輩に投票しなかったと思うけど、
今こうやって平野先輩を知った後に投票しろと言われたら、絶対あみだくじの紙を引きちぎって平野先輩に投票していただろう。
「……っておい、いつまで笑ってるんだワレ」