臆病者のシーソーゲーム(仮)

製作中






昨日は『梅雨』を思い知らされるように雨が一日中振っていたのに、

日曜日の今日はカラッと晴れて日差しが熱い。



家から歩いて10分。


小さな公園が目の前に見えた。

入り口には『あおぞら公園』と書いてあり、

中には砂場が1つと遊具が3つ。



日曜日という事もあり、

小さな公園の中では近所の小学生たちが、

自分の島の様にその場所で遊ぶ。




私の通っていた小学校とは逆方向だし、

もっと家から近い場所に公園があったから、
私は小さい頃ここで遊んだこと無いけど、


キーキーと鉄の擦れる音がするブランコ。

木の枠で仕切られた砂場。

錆が見えるジャングルジムと、それを占領するガキ大将。

順番待ちで並び、押し合いの喧嘩になる滑り台。

それを見ていると幼い頃を思い出して懐かしく思った。



公園に行かなくなったのはいつだろう?




公園に通っていたあの頃。

あの場所は私にとって遊園地の様に楽しい場所だった。

今では『何が楽しいの?』と思ってしまうものでも、

夢中になって汗をいっぱい掻いて遊んだ。






そんな数年前を思い出していれば…



「椿」

後ろから聞こえてくる心地よい声。

その声にクルッと振り返れば、
制服じゃない悠の姿。


 
< 87 / 91 >

この作品をシェア

pagetop