そして 君は 恋に落ちた。




「こんなんでいいの…?」




鏡の前で自分の顔を見て眉間にしわが寄る。

……いかんいかん。



昨日化粧品売り場のお姉さんから教わったメイク術を再現したつもりだけど……どうなんだろ、これ。


それでも、時間は流れていく。



結局、いつもより一時間も早く起きたのに遅刻ギリギリ。









「おせーよ!」



息切れしながらエレベーターを下りると、めちゃくちゃ不機嫌な瀬川君が壁に寄りかかり不満をぶつけた。



「……何、してるの?」


はぁ、と深呼吸して一歩エレベーターから足を踏み出す。


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