*総PV2億突破御礼*完
レモネード
なっちゃんとカフェに行った日から数日後。

ハードなダンスレッスンの休憩中に聞こえてくるのは、あの話題。


「もう応募した?」

「したよ~ドキドキだし~」

「ルナとエレナも応募したんでしょ? ヤバくない?」

「うっそ! 勝てっこないじゃん」


こんな会話があちこちから上がるのも仕方ない。

BKN48のオーディションの一次選考まで、あと2週間なんだから。



一次審査は、書類選考だ。

応募者の写真や履歴書などを見て、審査するのだという。


容姿が普通すぎるあたしは、果たして大丈夫なんだろうか。

ルナやエレナみたいな美人じゃないし、スタイルが良いわけじゃない。

見た目勝負では圧倒的に不利なんだけどなぁ。



そうは思っても、憧れの工藤茅那ちゃんと同じステージに立ちたいという夢は変わらない。

厳しいだろうけど、何でもやってみるって決めたんだ。

あと4年だけなんだから。



そろそろあたしも書類を郵送しなきゃね。

まだバックに入ったまんまだ。

あとは宛名書きと切手を貼ったら終わりだもん。

切手は近くのコンビニで買って、明日にはポストに投函しよう。


そう決めて、あたしはレッスンを再開した――――。


< 29 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop