恋の神様はどこにいる?
☆とんでもない神頼み


「また振られた……」


力なくトボトボと歩き、近所にある神社に向かう。

あの神社に行くのは、何度目になるだろう。指折り数えてみるけれど、もう片手では足りなくなってしまった。

人の目も気にせずブツブツ呟いている私、真野小町。24歳。

街の小さな建設事務所に勤める、ごく普通のOL。

役所で働く父、専業主婦の母、3つ歳の離れた妹に愛犬モンブラン。四人と一匹で暮らしていた実家を就職と同時に出て、ひとり暮らしを始めた。

特に取り柄があるわけではないけれど、明るい性格と元気だけは誰にも負けないと自負している。

自分で言うのも何だけれど、顔だってまあまあ。中の上? くらいな。

まあ少し難があるといえば、ドジでおっちょこちょい、少し喧嘩っ早くって、ちょこっとほ~んの少しだけぽっちゃりしていること。

って少しじゃないじゃん! とか、自分でツッコミを入れておこう。

でも付き合う人はみんな声を揃えて言ってくれる。 

『そのくらいのほうが、小町ちゃんは魅力的だよ』ってね。

なのに、どうして毎回振られてしまうのか。

その理由はたった一つ。それは……



エッチができないから───

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