♀ my prince ♂
smile.9

宿泊研修【後半】




―その時。




ガチャ…ッ




部屋のドアが開く音が聞こえてきた。




「たっだいま~……って抱き合ってるよー。もうラブラブだね~?」


そう言う夏凛ちゃんの声。



「ほんとだー!熱々なんだけど。」


それに乗っかる亮くんの声。




ぅわぁ…っ!!帰って来ちゃった…っっ




『れ…玲央くん…っ!!恥ずかしいよ…』



『別にいいじゃん。あいつらに見せつければ』


私が小声で言いパッと腕を離すと玲央くんは耳元でそう囁いた。




えぇ~~……。




「あっそうだ…未亜ちゃん!

 玲央って~…Sっ気あって、ちょっと強引で…
 あ、時々エロいかも?だから気をつけてね~?」



「え、そうだったのー?」



「うん!!!!!!」


亮くんと夏凛ちゃんは、そんな会話を繰り広げる。




それってどうゆう…って…!今の状態…だ……きっと。




『あぁーもう…ごちゃごちゃうるさいなぁ…もっと見せつけてやろうかな。』



『ぇ……?』


玲央くんが小声でそんなことを言う。
だけど私には全く理解出来ない。




え、え……!?なに…!?!?




頭の中が混乱する最中、玲央くんとは目が合って…




「っっ…!!!」


また唇にキスを落とされた―。




「……私、人がキスしてんの…初めて見た…」



「俺は見たことあるなぁ」



「っ……!!/////」




えぇ…っ!?ふ、二人の前で……きっ、キス……!!!




「てか未亜ちゃん。顔、真っ赤ー」



「えっ…!?だ、だって…恥ずかしいん、だもん…っ//」


夏凛ちゃんの声で我に返り私は俯きながらそう言った。



「…可愛い。」


そう言う玲央くんには頭の上に手を置かれる。



「あ、それより!もう帰るから集合だって」



「あと宮崎さんも待ってた」


夏凛ちゃんと亮くんがそれぞれ言う。



「そっか。じゃあ早く行こう。」



自分たちの荷物を部屋に取りに行き四人でコテージをあとにした――。





< 49 / 203 >

この作品をシェア

pagetop