恋は盲目〜好きって言ってよ
好きって言ってよ

「はー、奈々、あんたバカなの⁇」


休み明けに合う早希の声が響き渡る。


報告しなさいと早希に捕まり仕事の休憩

時間を合わせてのランチ。


花火大会で早希が飯島さんといたのも気

になり、近くのカフェ【コンフォルト】

で現状報告。


なのになんで怒られている。


「早希、声が大きいって」


「大きくもなるわよ。何してるの⁈信じ

られない。付き合うとか好きだとかない

のにいきなり鍵ですか⁈その時に、なん

で確認しないのよ」


「わかんないんだもん。流れでエッチし

て1度きりだと思ってたのに、電話番号

聞かれて付き合おうとかの話ないまま、

また、エッチしちゃってそれで部屋の鍵

渡されてこれってもしかしたらって思う

けど……自信なくて…いろいろ考えがち

ゃうけど…、最後には都合のいい女でも

いいから側にいたいって思ってしまうん

だもん」


「あんた何言ってるの⁈都合のいい女に

なってどうするのよ。確かにあれだけの

いい男だから不安なのもわかるけど、向

こうが言わないなら自分で言わないと前

に進まないわよ。ちゃんと言いなさい。

そして相手の気持ち確認するのよ」


食べているパスタのフォークの先を私に

向けて睨みを利かす早希。


恐いんですけど……。鬼の形相って奴。



「怖くて聞けないよ。」

(あんたは、かわいいわよ。自信持ちなさ

いよね)

ボソッとつぶやく早希の声は奈々には聞

こえていなかった。


「私の事は置いておいて早希は飯島さん

とどうなってるの⁇」


「ぶっ…何よ、突然」


吹き出す早希を問い詰める。


はい。決まり‼︎

早希は完全に飯島さんに心を持っていか

れてしまったようだ。


意味わかんないでしょうと言って拗ねて

る早希。


「それで、早希はこれからどうするの⁇」

「もちろん、今度会ったら戦線布告する」


私もだけど早希も大変な男を好きになっ

てしまったのね。


「お互い頑張ろうね」


「奈々の方が頑張らないといけないんだ

からね。自分から言えないなら言わせる

ようにするのよ」


「…どうやって言わせるのよ。教えてよ




(言わせる方法なんていくらでもあるのに

、初心な奈々には難しいか‼︎

あんたは、愛されてる。

奈々が頑張れば答えてくれるわよ。)


そう思う早希だった。
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