SWEET PAIN ~ 死んじゃった人には絶対に敵わない ~
◇ 飛鳥 1



◇ 飛鳥 1




飛鳥とは、―――――。



親友だった、と思ってる。



高校に入学してすぐ。


まだお互いの距離感を取りつつの、微妙な空気の中。


飛鳥は一人、クラスから浮いていた。


170センチ近くある長身に、スカートから覗く、長く細い脚。


切れ長の大きな瞳に、くるんとカールした睫毛。


雑誌の読者モデルをしているとかで、誰よりも洗練されて綺麗だった。


当然のように、他のクラスの子や先輩たちが、わざわざ飛鳥を見に教室にやって来る。


だけど、――――。


話しかけられても、ほとんど表情なんて変えなかったな。


返事はするけれど、明らかに拒絶するかのように目線を逸らして。


わかりやすい拒絶の反応も、舞い上がった人間には効き目なんて無くて。


それでも、――――。


オーラがある人って、凄いんだなって思ってた。


黙っていても口角の上がったカタチのよい唇が、たくさんの人間を飛鳥に引き寄せていく。


どうにか仲良くなりたい子たちが、飛鳥の周りをいつも取り囲んでいたっけ。



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