彼氏契約書
4.眠り姫にキスしたのは・・・
私は頭を抱えていた。

なぜ、蒼空のキスを、素直に受け入れてしまったのか?

その理由が全く分からないからだ。

・・・考えすぎたせいで、ほとんど眠れず、

寝不足だ。・・・仕事での寝不足は、全然大丈夫なのに。


…このままだと、知恵熱でも出てしまいそうだ。


静かに専務室のドアを開けた。

「・・・・///」

ボッと、真っ赤な顔になり固まる。


「おはようございます美緒さん

…どうしたんですか、真っ赤な顔して?

…まさか、熱があるのに、無理して出社したんじゃないんですか?」


そう言いながら私に近づいてきた蒼空は、

自分のおでこを私のおでこに押し当てた。

「///?!」

「…熱はなさそうですね?美緒さん?」

「へ?!変なことしないでよね!…全く」


私はそう言って蒼空から離れると、デスクに座って、

そそくさと仕事を始めた。


そんな私の行動が可笑しかったのか、

蒼空は終始、クスクスと笑っていた。

…私の気も知らないで。
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