*約束期限*
「待ってるから」

*真衣side*


あの体育祭の日以来、桜庭くんとは会っていない。

なんていうか、勝手に気まずい思いをしてる。


「おはよ、まーいっ」

「美月おはよぉ」


そんなこともあってか、美月がやたらと優しいのは嬉しい。笑


けどやっぱり、気になっちゃうモンは気になっちゃう。

あの女の子が桜庭くんにとってどういう人なのかーって…


「あ、聞いてよー!彼氏と別れたぁ」

「先輩だっけ?」

「うん。あたしも、1筋でいこうかなって」


急にそんなこと言うから、あたしは驚いてペンケースを床に落とす。


「どどどしたの、美月!?」

「ちょっと驚きすぎ!…真衣見てたら、負けてられなくて…」

「ん?もっかいー!」


最後の方が聞こえず、聞き返した。

すると美月は舌をベーっと出して、「言わなーい!」と言った。


「むー。いいもんっ」


窓の外に目がいってしまう。

…桜庭くん

やっぱり、どこにいてもわかるんだよね




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