恋愛遭難★恋は水もの〜パツンと教訓!〜
缶詰は、白桃に限る


「ねぇ〜どうしよう。紗季〜」
帰り支度を始める紗季にすがりついていた。


「なんでまた、そんな嘘をついたの?」
ため息をつきながら、かわいそうな私の両手を握り椅子に座り直してくれた紗季。


「仕方なかったんだもん。追い詰められて、スカートの中身も見られるし」

「スカートの中身?」

「それもそうなんだけど……あ〜どうしよう。なんで寄りにも寄って見栄はっちゃったんだろ。神島さんだなんて!」

課長にデートの相手を聞かれて、本当はそんな奴いないくせに!みたいな顔をされたから、つい勢いで言ってしまった大きな嘘。

『神島課長ですよ。デートの相手』

そう、ホラをふいた。ホラ貝も真っ青になるくらいの嘘だ。
それを聞いた課長の眉毛がピクリと動いた。何故って、私が上げた名前が営業の神島 卓也課長だったからだ。

上野課長と神島課長は、課は違えど同期入社で何かとライバル視されて見られていた。

課長になったのも同じ時期だし、お互いにライバル視しあっている2人だ。

それにイケメン度数も2人は互角。
上野課長がソース顔のイケメンなら、神島課長は、しょうゆ顔のイケメンだ。
ただ、どちらも似ている点がある。女子社員人気が高く、来るもの拒まずのチャラい上司として名高いのだ。
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