サヨナラのしずく
幸せになれ
朝方、タクミさんがいないせいで眠れずにいたあたしの携帯が鳴った。



あたしはタクミさんからだと思って急いで電話にでた。




「もしもし!」


『雫さん?』




電話はタクミさんではなくユウカさんからだった。



こんな時間にユウカさんから電話がかかってきて、あたしは胸騒ぎがした。






『お兄ちゃんが……―――』




えっ?



タクミさんがどうしたの?


電話の向こうでユウカさんは泣いているみたいだった。



だけど…はっきりと言っていた…。








“お兄ちゃんが……死んだ”って。






< 283 / 358 >

この作品をシェア

pagetop