初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
5.関係成立

その日の夜。
私は自室のベッドの上でスマホを握りしめ正座していた。
スマホを握る手と逆の手には名刺が一つ。

もちろん江崎課長のもの。


『俺の話を受ける気になったら、いつでもいいから連絡してくれ』


そう言われて受け取った名刺。
表は普通のサラリーマンならよくある情報が書いてある。
しかし裏には、江崎課長と思われる綺麗な字で、メアドと電話番号が書いてあった。

これに連絡するんだよね…?

連絡先はそれしかないのに、不安で何度も確認してしまう。

そのせいで、気付けば15分はベッドの上で名刺の裏を見つめていた。


「よし…!」


これ以上遅くなったら江崎課長に迷惑かもしれない。
覚悟を決めて、電話をかけた。


『…はい?』

「あ、夜分遅くにすいません。小西千夏です」

『小西さん?どうかしたか?』


江崎課長の声はとても落ち着いていて、聞いている方も自然と落ち着いてくる。
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