彼氏契約書
10.彼がモテると・・・
「うわぁ、久しぶり」

会社を見上げ、そんな声が漏れた。

「…1年ぶりですもんね」

「?!!」


・・・一人で早朝に出社したにもかかわらず、

隣から男の声が聞こえ、驚き振り返る。


「どうですか、久しぶりの会社は?」

そう言って微笑んだのは。


「…蒼空、驚かさないでよ。まだ誰も出社する時間じゃないのに」

そう言ってブー垂れる。

それを見た蒼空はフッと笑い、その笑顔に、思わず恥ずかしさがこみ上げ、

頬が赤く染まっていくのが分かった。


「美緒さんの事だから、早朝に出社するだろうなって思って、

僕も早く来たんです、…で?出社の感想は?」


「え・・・あ、うん。

やっぱりいいわね、私の大好きな会社だもの」

そう言って微笑みまた会社を見上げる。

そんな私を、蒼空は優しい眼差しで見つめていた。
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