想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
苦しくても
どんなに苦しくても、
日々は過ぎてゆく。


あたしは、自分の想いを佐恵子だけに伝えながら、
日常を送る。


あれから1ヶ月が経った。

今日は、初めて一人でお客様を担当する事になった。

あたしは、ここの所ずっと必死に頑張ってきた。


早く独り立ちしたかったから……。


木下サンと常に行動を共にするのが辛かったんだ……。

先輩としては、かなり尊敬できる仕事ぶりだから、助かったんだけどね。





「「いらっしゃいませ。」」 


――ドキンッ!


き、来たぁ〜!!



ついに……

あたしが担当として付くお客様が来たのだ。


今日一番最初に初来店されたお客様に付けと、みんなから言われていた。 

てか、あれは間違いなく脅しだったよッッ!!


北川サンだけは、優しく、

「みんな通った道だからね。頑張りなさい。」

って言ってくれた。

まぁ、みんなの脅し(?)も、あたしの背中を押すための励ましなんだってわかってた。


あたしは、良い職場に恵まれた。


まぁ、この場所で木下サンと出逢い、苦しい思いをしてるんだけど。

でも、その苦しみもこの場所で癒されてる。

変な感じだよね……


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