殺戮都市
最後の戦い






「……年、そろそろ起きろ。準備を始めるぞ!」


突然のその声に、俺の身体はビクンと反応した。


慌てて目を開けると、恵梨香さんが俺を見下ろしていて、その横には中川と大山田が眠そうに大あくび。


「あれから10時間だ。南軍のやつらもそろそろ人が集まっただろう。バベルの塔に突入するには、北軍と南軍が進行するタイミングを合わせた方が良いだろう?」


「あー、頭がいてぇ。俺、こんなに酒弱かったかな……」


こんな時に大丈夫なのか、中川は。


ここから先、絶対に中川の力は必要になるのに。


「とりあえず俺、連絡取ります。どのタイミングで動いてもらえば良いんですか?」


ソファから立ち上がり、ポケットから端末を取り出した俺は恵梨香さんを見た。


いよいよその時が来たんだと思うと、気持ちが焦る。


南軍にいるわけじゃないから、「どうしてそんな事をしなければならないんだ!」と、反発する人達もいるだろう。


もしも誰も来てくれなかったら……そう考えると、一刻も早くおっさんと連絡を取りたかった。


「もう、私の部下は中央部ギリギリの場所で待機している。後は頼んだ連中が来てくれれば良いんだが……」
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