Love Game

Game Over

BuBuBuBu

うん？

「はい」

「瑞希さん、今仕事？」

「漣君。今ＮＹから？」

「ん？違うよ、今帰って来た」

「……」

確か撮影の打ち合わせに漣の事務所の人に会った時に延びたって言ってなかったっけ？

「瑞希さん」

「あ、はい」

「逢いたい」

逢いたいって…

今はもう９時過ぎじゃない。

「遅いからまた」

「逢いたい」

「……」

「瑞希さんが来るの嫌なら俺がそっちに行く」

「じ、冗談」

この男は何を考えてるのよ？

いや、何も考えてないな。

「瑞希さん、この間のホテルに今いる」

「えっ？」

「710号室だから」

「漣君」

「１時間以内に来てくれないと俺が行く」

「……」

「本気だから」

「分かった。分かったわよ。行けばいいんでしょ」

「ん。待ってる」

「ち、ちょっと」

ﾂｰ

切れてる。

あの『抱きたい』メール以外何の連絡もなしで帰って来たら直ぐに来いって…

指を動かせば簡単に来る女と思ってるんだろうか。

何だか情けない。

――

―

でもとにかく行かないと。

アイツのことだから本当に来る。

それだけは避けたい。