スイートラブライフ
オミやげ~君のことは僕が守る~
キッチンに漂うのは、おでんのいい香り。

私はオミ君とお揃いのエプロンをつけて、キッチンに立っていた。

「もうそろそろかな?」

今日は三日間の出張を終えたオミ君が、帰ってくる日。

社長業をしているオミ君の出張は多い。

馴れたつもりだけど、それでも戻ってくる日はやっぱり嬉しいのだ。

――ピンポーン

鍋の中身を確認して味見をしようかと、菜箸をにぎったところで玄関のチャイムが鳴る。

「オミ君だっ!はーい」

私はモニターも確認せずに、玄関の扉を開けた。

「ただいまー!」

「わっぷっ」

いきなりギュッと抱きしめられて、苦しいけれど嬉しい。

「お帰りなさい」

見上げると、彼の形のいい唇が降りて来て私の頬にキスをした。

外から帰ってきたオミ君のキスは少し冷たかったけれど、私の心はぽかぽかと温まる。

……温まる……っ!あ、おでん忘れてた。
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