君と、優しくて愛しい日々を。
Summer again with 【winter season】



「ほっ、ホントっ!?」


部屋の中に、歓喜に満ちた私の叫び声が響き渡ったのは、外も真っ暗な午後八時のことだった。


三歳年上のナツと付き合い始めて、約三ヶ月。

十二月になって、ナツと過ごすはじめての冬がやってきた。


…といっても遠距離だし、今も毎週末恒例のお電話タイム…なんだけど。


「ナツ、こっちに来てくれるの!?」


隣の県の大学に通っている彼、上原那津は、夏の期間だけ地元に帰ってくる。

まぁそれは、今年までだったんだけど…

その彼の地元から車で二時間くらいかかる町に住んでいる私は、夏休みだけおじいちゃんに会いに、そこで過ごす。

だから私は、彼と夏の間だけしか会うことができなかった。


でも、晴れて今年の夏、付き合うことが出来て。

今年の冬も、彼と会えることになったんだけど。

なんと、ナツが来週末の土曜日、新幹線で私の町まで来てくれるらしい。


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