コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
。:*°俺のそばから離れんな


すっかり話し込んでしまい、舞花のアパートを出ると外はすでに暗闇に包まれていた。

まだ那央から連絡はないけど、急いで帰って料理の続きをやらなくちゃ。


だいぶ気分が上向きになったあたしは、舞花にお礼を言うと笑顔でアパートを後にした。


再び電車に乗って、官舎の最寄り駅を目指す。

その途中、那央から“今から帰る”とメールが来た。

よかった……やっと帰ってきてくれるんだ。でも。



「料理間に合わなさそー……」



夕飯が出来るまでちょっと待っててもらうことになるけど、まぁ仕方ない。

もう細かいことは気にしないんだ!

いいのかどうなのかわからない誓いを胸に、駅に着くとあたしは早足で路地裏に入った。


まだ遅い時間じゃないにもかかわらず、大通りとは真逆のここは、人通りがほとんどなくてとても静か。

職場には自転車で行っているし、普段あまり駅は使わないからここも滅多に通らない。


古びたお店はすでにシャッターが閉まっていて、街灯の切れそうな電球がチカチカしている。

なんかちょっと不気味……。

早くこの通りを抜けたい。

< 40 / 82 >

この作品をシェア

pagetop