カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
《7》薬指のダイヤ

逸希sideー

俺は外回りのついでに銀座に立ち寄った。


銀座でも老舗で有名な宝石店。磨き込まれ透き通った硝子のショーケースには輝く色とりどりの小さな宝石のリングが並んでいた。


「エンゲージリングですか?」


「あ、いえ・・・プレゼント言いますか…」


俺は販売員の女性に突然話し掛けられて戸惑った。


オトコが一人で宝石店に足を運ぶなんて、めったにないコト。

探し物はエンゲージリングだと思われるのは当たり前だ。


迷う俺は販売員の格好の獲物だな。


「これなんてどうですか?」


販売員がショーケースから出して来るのはダイヤのリングばかり。


完全に誤解されているが、説明するのも面倒くさかった。





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