昨日の友は今日の恋人!?~甘い視線で迫られて~
1.デート前夜
好きになったら、近付きたいとか触れ合いたいとか思うのって普通なんじゃないの?

別に四六時中、一緒に居たいって言ってる訳じゃない。

でも、一緒に居る時は。
ちゃんと愛してるって言って欲しい。



それって恋してる証じゃないのかな。




「でもさ、それ言った途端、思いっ切り引かれたんだけど」

エイヒレをかじりながら、熱燗をキュッと口に含むと。

私の胃の中にまた、じんわりとした感覚が拡がる。

「紫乃(しの)は、そんなのばっかり選ぶのな」

大学時代の同級生である奏多 翔太(かなた しょうた)は、呆れた顔をして私を見た。


彼は同じく同級生だった私の親友、三崎 桜(みさき さくら)と同じ建設会社に勤務している。

今夜は桜と飲む約束をしていたのだけれど、彼女は急なデートが入り、あっさりと傷心の私を見限った。

『いつものことだから、代役立てといた』と、店に着く直前に御無体な電話が鳴った。

女の友情も男が絡むと、薄っぺらなコピー用紙並だ。
< 1 / 25 >

この作品をシェア

pagetop