イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
7、桃華の悲劇 ー 瑠海side
「おはよう」

「おはようございます!」

 朝出社すると、桃華が笑みを浮かべて俺に挨拶を返した。

なんか……不気味だ。

 だが、何かを企んでる様子はない。

 やけにテンションが高いのが気になる。

 鼻歌まで歌ってやけにご機嫌。

 何があった?

 首を傾げながら副社長室に入る。

 デスクは書類も新聞もなくスッキリしていて気分がいい。

 取りあえず働ける環境が整った。

 俺が言ったことは忠実に守っているようだ。

 パソコンの電源を入れメールの確認をしていたら、ノックの音がした。

「はい」

 返事をすると、今朝も桃華がコーヒーを持って入ってきた。

 だが、今朝はコーヒーの匂いが違う。
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