イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
15、宿題の答えは? ー 桃華side
「駄目よ、桃華も一緒にスキーするの。最近、イーサンの欠点ばかり目について、彼とふたりっきりになるのが嫌なの」

「瑠海がいるじゃないですか!」

「駄目よ!瑠海と滑るといつも先に行かれちゃうの。瑠海はほんとプロ並みなんだもん。完璧過ぎる兄も問題よね」

 フーッとセーラが溜め息をつく。

 完璧過ぎる兄。

 それはうちもだな。

相槌を打ちながらも、はっきりと彼女に言った。

「私も上級者コースに置いてけぼりにされたことありますよ。でも、すぐに兄が引き返して来ましたけど。その時決意したんです。もうスキーは二度としないと」

「じゃあ、私達やっぱり親友よね。桃華の気持ちもよーくわかるわ。だから、一緒に滑るのよ!」

私の両手をガシッと握り、嬉しそうに微笑むセーラ。

 おーい、人の話、聞いてます?

 自分の都合のいいように解釈して、ほんと困ったお嬢さんだな。
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