最も危険な  ルームシェア
μ.私の恋
今朝は滝野さんとのミーティングがあり

彼のいつも通りの声を聞いていたら

私は胸の奥が苦しく

意に反して涙がじわっとにじんだ。

「仁科。」

「は、はい。」

滝野さんは私を睨んだ。

「朝からメソメソすんな。」

私はその言葉を聞いたら

さらに気持ちが揺らいでしまい

ぽろぽろ流れる涙を止められず

回りのスタッフにも気付かれてしまった。

「滝野、朝イチからイジメるなよ。」

誰かが大きい声で言った。

滝野さんはそれを無視した。

「すみません。」

私は涙声で謝った。

二人で地下の駐車場へ降りた。

滝野さんが運転した。

泣いた理由は聞かれなかった。

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