ミントグリーン~糖度0の初恋~











6月。
第二金曜日は私の誕生日だった。



「千波ちゃん!」


約束より早めに着いたのに、川越駅の改札の向こうに手を振る踊子さんの姿が見えた。



「ごめんなさい、待たせちゃって」


駆け寄った私の頭に手を置いて


「時間通りに来たんだから謝らないの」


踊子さんはニッコリ笑った。



「これ、清海によく言われてたんだよね」


お茶目に舌を出してみせる踊子さんは、また綺麗になったように見える。


聞くまでもなく、兄とはうまくやってるみたいだ。


新しい職場はクレジット会社のコールセンターで、神経を使うことが多いらしいが
『その分プライベートで発散してる』
から苦にならないのだとか。



1つうまくいっているものがあれば、他のものも大抵うまくいくものらしい。


これを幸福の連鎖反応という。


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