無理矢理繋いだ赤い糸
同窓会








かの柊悠也が乾杯の音頭をとってから、私の脳内はあちこちに記憶が飛びっぱなし。
これがまさに同窓会、とでも言うべきか、あの頃にタイムスリップしてしまったみたいに、苦い思い出まで蘇えってきそうだった。




「ちょっと沙希聞いてる?」

ビュッフェスタイルの会場内で、シャンパンを片手に談笑をしていた友人が私を覗き込む。



「沙希てば悠也くんの事見てたんじゃない?」
「え、違っ…」
「いいっていいって。昔から好きだったもんねぇ、沙希は」
「そうそう…久しぶりにときめいてたり?」
「え、ちょっと待って?…なんで?私好きなんてひと言も…」

友人達の言葉に驚いて声を荒げれば、友人達は私の言葉を取り合わずに、悠也くん高校の頃と比べ物にならないくらいカッコイイよね、とか言って盛り上がる。




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