さあ、愛される覚悟を・・・
真実


「オマエもさ、いー加減気づいた方がいいぜ」
「…何その言い方…なんか面白くないんですけどー」
「何が?」
「遼ばっか悟ってるみたいな口ぶりしちゃってさぁ…」

あたしは遼の肩に肘を乗せて、グイッと顔を近づけた。



「当たり前。オマエと違ってオレはもうとっくに悟ってんの」

あたしの方に顔を向けた遼の口角が、スーッと上がって目を細める。
間近で見たその遼の何かを企んでいるような顔を見て、突如あたしの心臓が激しい音を立て始めた。



「な、何悟ってるって言う訳?」

裏返りそうな声を必死で堪えながら食って掛かる。
そうでもしなければ、赤くなる顔も、激しく鼓動を刻む心臓も、理由を求めてしまいそうで。



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