Sweet Lover
31.イベント
スタイリストさんに、髪を整えてもらった。
伸ばしかけだった髪は、さっぱり短めにしてもらった。

慣れないセミショートヘアに、私は少し戸惑い気味だけれど、響哉さんがやたらと褒めてくれるので、なとなく『これもいいか』なんて気分になってしまう。

――私って、かなり単純。

「乾かすときには、こんなふうに、引っ張りながら上から風を当ててあげると落ち着くから。
 こんな感じでどうですか?スドーさん」

「ありがとう、カナちゃん。
 朝早くから。
 助かったよ」

「とんでもないですっ。
 いつでも声を掛けてくださいねっ」

オレンジ色の髪をかきあげながら、カナさんが照れた笑いを浮かべるだけで、心臓がキュンと痛むなんて……。

私って、ちょっと、響哉さんに対して独占欲が強くなっちゃってるのかしら。
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