【完】甘い香りに誘われて4 極道の若頭×ちっちゃな姐さん
五歩目


菫のやんちゃぶりは私に似てると言われながら


藤堂の家をハイハイから歩くようになり


組員さんの名前もどんどん覚え



怒られて逃げる時は私よりも家の中を自在に走りまわるまでに成長した。


「菫ちゃんこっちですよ」


あの時の私のように組員さんたちに上手に逃がされてしまう。


だけど必ず

「何をしたの?」と誰もが菫に聞いてくれる。


「お片付けしなかった」


「それは菫ちゃんがいけないよね。一緒に謝りにいこうか」


角田さんに手を引かれてきたり


篠崎さんに作ってもらった折り紙を手にしていたり


梅田さんの肩車で来るときもある。


「ママごめんなさい」


「最初からそう言ってくれると走らなくていいんだけど」


藤堂組の屋敷の中は大家族そのものだった。





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