クールな先輩の心を奪う方法
3.それぞれの嫉妬
突然の聖の訪問にドキドキが止まらなかった。

私を介抱してくれたのは聖だ。
長い事休んでいるから、心配で来てくれたのだろう。

でも、大地と鉢合わせした聖。
明らかに動揺の顔が伺えた。

無理もない。私達の関係を、聖は知らない。ここ数日の間に、こんな関係になった上に、誰にも話していない。

…何より、私は、聖に告白されてる。
断る事が出来ないでいた。

聖が取り合ってくれなかったからなんだけど。

…私は今、ソファに座り、落ち着かなかった。だって、聖が帰ってからずっと、大地は黙々とキッチンで、作業中。

しかも、顔が明らかに怒っている。

私が玄関に行くまでに、一体どんな会話があったのか?

キッチンからの物音が消えた。
私は中々出てこない大地が気になり、そこへ向かう。

「…保田さん?」
「…美雨」

「…なんですか?」
低い声に、ゴクリと息を呑む。

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