風に恋したキミと
7*ハツナツデート



「すごーい!わたし久しぶりに来た!」



「俺も。ガーター取る気しかしない」



ガコンっ!とボールがピンに当たる音やバラバラバラっ!とピンが地面に向かって倒れてく音があちらこちら聞こえてくる。



今日、わたしたちは部活の練習を終えて、ボーリング場にやってきた。



桐島と付き合い始めて2週間が経って、部活終わってから一緒に帰ったりしていたのだけれど



7月に入ってようやく部活に復帰することができたわたしに桐島はデートに連れて行ってくれることを約束してくれたんだ。



受付の前に申込書にニックネームを書く欄があって、わたしが書き終わるの余所見しながら待ってる桐島を驚かせようと



わたしは一番のところに“きりっしー”と書いて左手で隠しながら



二番目のところに“りお”と自分の名前を書いて桐島に「受付に行くよー!」と声を掛けた。



そして2ゲーム代の料金を払って、ボーリング用のシューズを借りると、受付のお姉さんに言われた22レーンに向かったんだ。



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