初恋も二度目なら
乾杯の絆
私はコホンと咳払いをすると、「そういえば、ユキオくんと悠希さんって、どこでどうやって知り合ったの?」と聞いた。

「ワタシが今住んでるこのマンションに引っ越してきたのが、知り合ったきっかけよ。まさかユウくんが、ここのオーナーだとは思いもよらなかったけど」
「そう!それ!部長が来る前、最上階のこの部屋を大改装したって言って・・・」
「あぁー。俺らの両親は資産家でさ。父さんは画家で、母さんは鵜池(ういけ)の親族なんだ」
「な・・・それは・・・っ!」

鵜池・伊集院・神薙(かんなぎ)は、日本の三大(旧)財閥じゃないの・・・!
そして鵜池一族は、不動産王としていまだに名高い。
あぁ、それで悠希さんは、この若さで土地やマンションを所有しているのか。
ということは・・・。

「で、この土地と建物は、元は母さんが所有してたんだが、亡くなる前に俺が譲り受けたってわけ」
「不動産管理の仕方や節税対策等は、俺らが16の時から母さんから教え込まれたからな。その点は抜かりないぞ」
「そ、そうですか・・・」
「とにかく、ここを譲り受けたのを機に、最上階に住むことにしたんだ」
「それで・・改装、は・・・?」
「隣に赤の他人が住んでるってのが嫌なんだ」
「それで6部屋を1部屋に改装したの?!」

ある意味すごい・・・それにスケール壮大・・・。

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