Ri.Night Ⅰ 【全完結】
6. 見張り


────…


「凛音ちゃん……」

「妃奈、みなまで言うな」

「……うん」



只今の時刻、午後0時を少し回った頃。


あたしと妃奈は一年と二年の校舎の間にある中庭でランチをしていた。



ぽかぽかと暖かな陽射しが心地好く、絶好のランチ日和。


それなのに。



「はぁ……」

「はぁ……」



あたしと妃奈から吐き出されるのは、大袈裟とも言える程大きな溜め息。


場所、天気、美味しいお弁当。


その三つは物凄く素晴らしいのに、それを見事に台無しにするモノが一つだけあった。



「もう、うっとおしいっつーの!」

「り、凛音ちゃん!」



それは、他人からの視線。


グサッと勢い良く唐揚げを突き刺して、大声で不満を露にする。



「だって毎日毎日ホントうっとおしいんだもん!」

「り、凛音ちゃん、声大きいよ!」

「いいの!聞こえたらもっと抑えるでしょ!」



あたしがキレている理由。

それは、“あの人達”との約束だった。



「見張るのはいいけど限度っていうもんがあるでしょ!これじゃストーカーと一緒じゃない!」

「ス、ストーカー?」



中田が諦めるまであたし達を見張るというあの約束。


ホント、なんでOKしたんだろうあたし。
今更だけどかなり後悔してる。


だって、まさかこんなに酷いとは思わなかったんだもん。


さっきも言ったけど、ストーカーだよ?ストーカー。


朝からご苦労様と言いたくなるぐらい毎日マンションの近くにいるんだから。


学校内で移動する時も絡みつくような視線を感じるし。


鈍感な妃奈でも気付いてるって余程のことだと思う。
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