LOZELO



2.エレジーが聴こえた新町通り



莉乃と出かけたケーキバイキングは、年頃の女子にとって天国のような世界。

多分、全種類制覇は成し遂げた。二人とも。

ここ最近食欲がなかった私も、大好物の甘いものを前によだれが止まらなくなった。

飲み放題の紅茶、何杯飲んだかな。

確実に元は取った。

途中おしゃべりをしながらたらふく食べて、ゲーセンに行ってカラオケに行って思う存分遊んだら、二人とも腹が空いたと共感し、駅前のおいしいと評判のラーメン屋さんでラーメンとギョウザ。

このまま死んでもいいと思った。
身も、心も、満たされていたから。

だけど、家に帰れば食事の心配をされて。

気分が良かったのに、一気に現実に戻される。

出かける前に要らないといったのに。
ちゃんと食べたのかっていう、過干渉。


「…だるい」


そしてまた、明日からは学校が始まるのだ。

私は月曜日が大嫌いだ。

3時間目の体育の担当が浅野だから。

サボろうと思えばサボれるんだろうけど、私のプライドも許さない。

莉乃は私の味方にはならないし。

というか、なれないだろう。

信頼を置いている部活の顧問に逆らう、不良生徒になるなんて。
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