ハートブレイカー
17
こういうことは、なるべく早く聞いておいたほうがいい。
私だけじゃない、直哉にも関わることだし。

もし・・・もし直哉が、「彼女」になついたら、私は・・・。

「ママぁ。ぎゅーしすぎー」
「・・・あ。ごめんね」
「おやすみ、ママ」
「おやすみ、直哉。大好きよ」
「・・・ママ?だいじょうぶ?」

いけない。
寝る前の直哉を不安がらせるなんて、母親失格だ。
震える体にどうにか笑顔を貼りつける。

「うん。大丈夫」

この子が一番幸せなら・・・大丈夫。
どうなっても私は、がんばる。

直哉の部屋のドアをそっと閉めたとき、彼に腕をつかまれた。

「ちょ・・どこ行く」
「シーッ」

彼は自室へ私を連れて行った。

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