夫婦の定義──君が僕のすべて──
踏み出す勇気
翌日、レナは経験した事のない気分の悪さで目を覚ました。

(何これ…気持ち悪い…。)

昨日、変な夢を見たせいだろうか?

ここ最近の精神的な疲れが、胃に不調をきたしたのだろうか?

(疲れてるのかな…。)


なんとか起き上がって着替えると、レナはリビングに向かった。

リビングではテオが新聞を読んでいる。

「おはよう、レナ。」

少し日本語が話せるようになったテオが、レナに声を掛ける。

“おはようございます…”

レナは口を動かしながら軽く頭を下げた。

「おはよう、レナちゃん。」

キッチンで直子が振り返り、レナの顔を見て近付いて来る。

「あら…顔色が悪いわね。大丈夫?」

レナが胃の辺りを押さえながら、口を動かす。

“気分が悪い”

「気分が悪いの?」

レナがうなずく。

「朝食は食べられそう?」

レナは首をかしげたが、お腹は空いているみたいだと思いうなずいた。

「じゃあ、無理しないでいいから食べられる分だけ食べて、休んでなさいね。」

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