最後の恋にしたいから
最後の恋
ーーー三ヶ月後。

私は祐真さんと婚約をした。

付き合っていることは報告済だったから、今回のことは驚かれないと思っていたのに、周りの絶叫にはビックリしてしまったほど。

「まさか、あんなに驚かれるとは思わなかったよな。なあ、奈々子?」

祐真さんのマンションで、半月前から同棲をしている私たち。

仕事も終わり、すっかりくつろぎ始めた時、彼がソファーに座っている私の隣にやってきたのだった。

「そうだよね。彩乃なんて、驚き続きだって目を丸くしてたし。だけど、安藤課長からも祝福してもらえたのが嬉しかった」

付き合う宣言をした時、祐真さんファンの彩乃の反応が不安だったけど、意外にも彼女は私たちのことを素直に喜んでくれたのだ。

それに、安藤課長も今ではすっかり安心して、見守ってくれている。

それが私には、本当に嬉しかった。

「そうだな。オレも周りから冷やかされたよ。そんなに焦って、どうするんだって」
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