新婚の定義──嘘つきな君と僕──
彼女の嘘
それからレナは、何事もなかったように毎日を過ごした。

朝起きて朝食を作り、洗濯をして仕事に出掛ける。

帰りが遅くなったユウが夕飯を食べられなくても、気にしないで、と笑う。

あの夜のレナはなんだったのだろうと、ユウは不思議に思いながらも、日々の仕事に追われていた。



そんなある日、レナはヒロに呼び出され、`ALISON´の事務所を訪れた。

なんの用だろうと不思議に思いながらも、レナは案内された会議室でヒロと対面した。

「悪いね、急に呼び出したりして。」

「いえ…ユウが何か?」

「違うよ、今日は旦那じゃなくて、レナちゃんにお願いがあってさ。」

「私に…?」

写真のことかと思いながら、レナはヒロの言葉を待つ。

「今度、アイツらとケイトがコラボするの、知ってるよね?」

「まぁ…。」

ケイトの名前を聞くと、レナの胸はまたざわざわと嫌な音をたてる。

「オレも、女の子とコラボしたいなーと思って。」

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