極上ドクターの甘い求愛
極上男子に笑いかけたら。



冷蔵庫から岩崎先生へのお礼を回収した私は、先生の車が停まってある駐車場で先生が来るのを待っていた。

夕方5時30分から待ち続けて早3時間ちょっとが経ってしまった。

……遅い。寒い。

太陽が沈んで三日月が雲の間から顔を出している春の夜はまだ寒い。

医局室に行ってもナースに囲まれた岩崎先生にこれを渡すことはできないだろうと思った私は、一人になるであろう先生の帰りを待っているのだけど。――あまりにも遅すぎる。

当直とか…ないよね?だって、朝いたし。

オペがまだ立て込んでるのかなぁ。さすが外科のエースはすごいなぁと尊敬しつつも早く来いという気持ちの方が勝つ。

――明日にすればよかったかも。そう思った時だった。


『岩崎先生ッ、お疲れさまでしたぁ~!』


職員用玄関から、岩崎先生に話しかけるキャピキャピした声が聞こえた。

……あ、やっとお帰りだ。

チラッと先週の時みたいに曲がり角から職員用玄関を盗み見ると、当直のナースからお見送りされている岩崎先生の姿があった。…おいおい、仕事はどうしたんだ。という疑問は心の奥にしまって。



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