麗雪神話~炎の美青年~
第三章 マグマの洞窟への旅路

二週間後に成人の儀を控え、時間的猶予はないということで、セレイアたちはその日のうちに旅装をまとめ、マグマの洞窟へと旅立った。

ブレイズ、セレイア、ディセル、そして案内役のカティリナの四人で目的地を目指す。

この旅立ちはアル=ハル以外知る者がいない。セレイアたちは客間に滞在していることになっており、そう偽装するためにかわりの人間を客間に泊めるという徹底ぶりだ。

この旅でもプミールが大活躍した。

ブレイズとカティリナはアル=ハル族所有の赤いプミールを二頭連れてきた。セレイアたちはもちろん、プミラを連れてきた。

往復分の旅の荷物の重いものほとんどを、彼らプミールの背中にくくりつけてある。

けれどプミールに騎乗しての空の旅とはいかなかった。

赤いプミールは暑さにこそ非常に強いが、空を旅する能力がとても弱く、空を飛べないわけではないにしろ、すぐに疲れてしまうのだ。だから彼らは荷物持ち。四人はほぼ徒歩での旅となった。

歩いて四日ほどで、洞窟に着くという。
< 49 / 176 >

この作品をシェア

pagetop