蟲狩り少女
それからあたしは予定通り図書館へ行って勉強するようになった。


勉強していて息詰まると、大好きな作家の本を読む。


胸が躍るようなファンタジー小説だったり、キュンキュンするような恋愛小説だったり。


そこにはあたしの見たことのない素敵な世界が広がっている。


本に夢中になりすぎて、課題をすることを忘れてしまうほどだった。


「あ~あ。結局借りてきちゃった」


家に帰り鞄から分厚いファンタジー小説を取り出す。


お母さんが帰るまでには読み終わって、借りずにそのまま返して帰るつもりだったのだけれど、勉強と並行しての読書ではさすがに読み切ることができなかったのだ。


これで家でも勉強に手が付かなくなるかも。


そう思う反面、小説の続きが家でも読めることでワクワクしている自分もいる。
本の虫って、こういうことなのかな。
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