螺旋上の赤
第2章  靴汚れとキーホルダー
第2章  靴汚れとキーホルダー


ゴシゴシ……

ゴシゴシ……

何してるかって?靴洗ってるんですよ。
身だしなみには殆ど無頓着なんだけど、昔から何故か足元だけは気になるタチである。
色や型とかはどうでも良いんだけど、靴の汚れだけは何か気になるの。
だから、週末になると大体こうしてゴシゴシ。

靴が綺麗だと気分もサッパリ。
部屋の中がメチャメチャでも、白のパーカーが若干黒ずんでいても、足元さえ綺麗なら凄く爽やかな気分になれる。
安上がりで良い……のだろうか?
——まぁ、人にはそれぞれこだわりってのがありますからね。


今日はこれから、前講義で課題として出されたオリジナルの英作文を作成するという大切な任務につく。
その待ち合わせを愛しい花奈と大学内のファミレスでしているのだ。
花奈はとても優秀で頼りになる。きっと手伝ってくれるだろう。
今まで何度お世話になったことか。

そんなことを考えつつ、ゴシゴシしているうちに靴も綺麗に。
爽やかな気分になったところで出かけますか。
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