螺旋上の赤
第5章  名無し君
第5章  名無し君


よし、今日の授業も終わり!帰ったら何して遊ぼうかな〜?

小学生の私は宿題のプリントをランドセルの奥深く、忘却の彼方に仕舞い込み、開放感溢れる放課後に思いをはせる。

鼻歌交じりでご機嫌に下駄箱へ向かって廊下を歩いていると、私たちのクラスが使っている昇降口とは別の方から幾人かの声が聞こえてきた。


「お前の上履き、名無しじゃんか!」

「なんだよそれ〜、名無し〜!」

「明日からお前、名無しって呼ぶからな〜!」


あいつらは幼稚園の頃からのいじめっ子。
ヒロインではなくヒーローになりたかった私からすれば、某秘密結社?に沢山いる下っ端構成員みたいな感じか。イーッ!ってやつ。

(——あいつら、また誰かいじめてるのかな?よーし!)

雑魚散らしへ向かうとしますか。
< 37 / 66 >

この作品をシェア

pagetop