Candy House
Candy9○花火に願い事をかけよう

忍さんと一緒の買い物帰り

梅雨が明けて7月も入ると、いよいよ夏本番だ。

梅雨独特のジメジメした感じがなくなったのはいいことだけど、やっぱり暑いことには変わりはない。

「暑いなあ…」

いつもの買い物帰り、あたしは息を吐きながら呟いた。

夕方になっても暑いのは相変わらずである。

帽子をかぶって熱中症対策はしていると言えばしているけど、やっぱり暑い。

まあ、何も対策をしていないよりかはずっとマシだけど。

昨日の夕飯はそうめんだったから、今日の夕飯はざるそばにしようかしら?

でも2日連続で麺って言うのは地味にキツいよね…。

そう思いながら家路に向かっていたら、
「あっ、雑貨屋の大和撫子」

その声に視線を向けると、麻子さんの幼なじみ――花屋に現れた珍客――の浅井忍(アサイシノブ)さんだった。
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