君と僕等を、繋ぐ線。
混線。
















『はぁー』社に戻り、豪快に溜息を吐きながら自分のデスクに突っ伏していると








「ただいま戻りましたー」







ワタシの代わりに取材に行ってくれた北村さんの声がした。







「お疲れ様です、北村さん。 取材、交代して頂いてありがとうございました」







身体を起こして、隣のデスクに座った北村さんに頭を下げると







「浮かない顔だね、畑田さん。 あのブログ、桜沢悠斗に見せたんだよね?? どうだった?? その表情を見る限り、あんまり良くない反応だった事は伺えるけど」







北村さんは、悪い報告を核心しながらも、ワタシに報告する様促した。








ワタシのした事は、余計でしかなかったんじゃないか。 自分の後悔を織り交ぜつつ、桜沢悠斗の事務所で起こった事を北村さんに話す。








「・・・・・・・・・・・・・・浅はかでした。 ワタシ、『きっとあのブログを見れば、桜沢悠斗は歌ってくれるハズだ』って思ってました。 ・・・・・・・・・・・・・でも彼は、歌う気にもならなければ、ワタシの汚い腹の内を見透かされただけでした」








手柄を立てたかったワケじゃない。 だけど、桜沢悠斗の言う通り、ワタシはあのブログで桜沢悠斗の気持ちは動くと思っていた。








傷付いた人間の気持ちを、そんなに簡単に動かせるハズないのに。
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